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反応器を加熱するための機器で、反応温度、温度制御性、作業性、経済性(コスト)などを考慮して選定します。
主なヒーターの種類と反応温度、ヒーターの限界温度、昇温速度、温度制御性、着脱作業性
          導入コスト、主要加熱方法としての適性、補助ヒータとしての適性について大まかにまとめた概要表になります。
          ※メーカーにより多少の仕様差異があります。メーカー仕様が優先されます。
           参考資料として下さい。
          


発熱部を耐熱マイカで絶縁して外被をステンレスSUS430などで被覆したヒーターです。
・円筒形状の対象に密着取付
        ・対象物のサイズはφ35以上であれば製作可能
        ・バンド部分のボルトを六角レンチで締付密着して使用
         (作業性に特化したパチン錠にも対応:中・低温用途)
        ・配管など突起物が有る場合、二つ割れ構造仕様
        ・バンドヒータの表面耐熱温度として350~450℃が限界目安
        ・センサポートなどの丸孔切欠き設計
        ・電力密度は3.0~3.5W/c㎡程度を目安
        ・常温から加熱低温域の制御には不適
        ・比較的安価で経済性に優れる
※代表仕様です。メーカーにより異なります。
| 項目 | バンドヒーター | 
|---|---|
|  |  | 
| 電源電圧 | AC100V/AC200V | 
| 相数 | 単相 | 
| 電力密度 | 3.0W~3.5W/c㎡ | 
| 上限定格 | 4.0kW(20A) | 
| ヒータ表面温度上限 | 350℃/450℃(メーカー仕様差分あり) | 
| 参考反応温度 | 100~300℃ | 
| 最小取付サイズ(製作可能サイズ) | φ35~ | 
| 構造 | 1ピース/2ピース(2つ割れ)/所定切欠 | 
| 取付方法 | バンド締付(ボルト)/パチン錠 | 


マイクロリングヒーターはシースヒータ―を螺旋状に巻装し、外側から特製締付バンドにて締付固定して使用する軽量薄型で熱伝導性に優れたヒーターです。バンドヒーターや鋳込みヒーターに比較してより高ワット密度で製作可能です。
・軽量、薄型な構造
        ・完全密閉型で樹脂、油、液体の侵入が無く断線故障する心配がない
        ・専用口金シールにすることで、水冷ジャケット用耐水ヒータに対応
        ・高温設計が可能でヒーター温度使用目安温度600℃
        ・高ワット密度(10W/c㎡)設計が可能
        ・熱伝導性に優れ、フレキシブルなため簡単密着
        ・AC100Vの時1kW定格上限、AC200Vの時2kW定格上限
        ・接続部を防爆端子箱(eG3相当)対応(オプション)
        
■ヒーター取付の際は締付バンドを外して、ヒーターの巻方向と逆にゆっくりと回転させ
         ながら対象物に密着させ締付バンドの爪をヒーターの外側にして充分に締付けて下さい。
        ■リード線または端子口は下側位置になるように取付け使用して下さい。
        ■ヒータ通電後、脱落防止の為適宜増締めを行ってください。
※代表仕様です。メーカーにより異なります。
| 項目 | マイクロリングヒーター | 
|---|---|
|  |  | 
| 電源電圧 | AC100V/AC200V | 
| 相数 | 単相 | 
| 電力密度 | 10W/c㎡ | 
| 上限定格 | 1.0kW/2.0kW | 
| ヒータ表面温度上限 | 600℃/400℃ | 
| 参考反応温度 | 100~450℃ | 
| 最小取付サイズ(製作可能サイズ) | φ50~(600℃対応) φ18~(400℃対応) | 
| 構造 | 密着巻または取付幅指定 | 
| 取付方法 | バンド締付(ボルト) | 
| オプション仕様 | ■防爆端子箱仕様(eG3) ■Oリングシール口金仕様 (水冷ジャケット仕様加熱ヒーター) ■ケーブル長変更(標準1m) | 
|  | 
| 防爆端子MRヒータと水冷管(銅管)施工 | 


各種試験や実験分析など多用途に使用可能な電気るつぼ炉です。
・耐火物やセラミックファイバーと発熱体カンタルにより炉体を1000℃超まで昇温可能
        ・炉体が昇温に伴い、対象が加熱されるため昇温速度は遅い
         (炉体予熱後の昇温速度は早い)
        ・炉体温度が必要以上に過熱した場合、保温性が高く放熱しないためオーバーシュート要因
         となる
■炉体温度を制御する温度調節器と高温対応の温度センサーを併用して制御を行って下さい。
※代表仕様です。メーカーにより異なります。
| 項目 | 電気るつぼ炉 | 
|---|---|
|   |   | 
| 電源電圧 | AC100V/AC200V | 
| 相数 | 単相 | 
| 炉体温度上限 | 1100℃/1200℃ | 
| 参考反応温度 | 475~775℃ | 
| 炉内寸法(定格) | φ150×200H(AC100V-1.0kW) φ250×300H(AC200V-8.0kW) φ300×300H(AC200V-10kW) | 
| 発熱体 | カンタル線 | 
| 炉体構造 | 耐火物/セラミックファイバー | 

発熱体であるニクロム線を金属シースで被覆したヒーターです。取扱いやメンテナンスが容易で装置の組み込まれる場合が多いです。大容量での製作が可能で高速昇温や高温での使用にも適します。
・使用環境や使用温度により最適な金属シース材質を使用
        ・ヒーター径が高精度で板やパイプに挿入して、伝熱用途に対応
        ・耐久性や耐熱性向上のため、電線種類の選択可能(オプション)
        ・湿気による絶縁性能低下を改善したグレード(型式選定による)
        ・K熱電対内蔵タイプ(型式選定による)
        ・高温(800℃)耐熱タイプ(型式選定による)/※電線部耐熱250℃
        
■海外電圧定格品を国内W数にする場合:(使用電圧/定格電圧)²×定格容量=使用時の容量
        ■ヒータ表面限界温度と電線限界温度は異なります。
※代表仕様です。メーカーにより異なります。
| 項目 | カートリッジヒーター | ||
|---|---|---|---|
| 標準タイプ | 高絶縁タイプ | 高温対応タイプ | |
|  |  |  |  | 
| 電源電圧 | AC100V/AC200V | AC200V | AC100V/AC200V | 
| 相数 | 単相 | 単相 | 単相 | 
| ヒータ表面温度上限 | 400℃ | 400℃ | 800℃ | 
| 電線温度(常用限界) | 250℃ (ニッケルガラス耐熱電線) | 250℃ (ニッケルガラス耐熱電線) | 250℃ (ニッケルガラス耐熱電線) | 
| 参考反応温度 | 300℃ | 300℃ | |
| シース材質 | SUS304 | SUS304 | インコロイ®800相当 | 
| 標準ケーブル長 | 300mm | 300mm | 1000mm | 
| K熱電対内蔵 | 対応可(オプション) | 対応可(オプション) | |
| 電線変更(オプション) | 350℃ (シリカウール被覆) 450℃ (ニッケル単線+碍子) | なし | なし | 
| その他シリーズ | ■水加熱用専用カートリッジヒーター | ||
| ・水加熱用仕様 | ・シース材質(SUS316L/銅/インコロイ®800相当) ・Rねじとりつけ | ||
| 標準タイプ | 高絶縁タイプ (AC200Vのみ) | 高温タイプ | 
|  |  |   ※AC100V仕様について φ8×300L以上不可 φ10×350L以上不可 | 

反応器内部の底面に口金シールで取付けるタイプの水加熱用のヒーターです。
・水や腐食の恐れのない水溶液加熱用ヒーター
        ・反応器内直接加熱方式で昇温効率に優れ、制御性良好
・SUS316Lまたは銅(Niメッキ)


           


                         温水用ジャケット/温水循環用バス
■温水ジャケット
        反応器の外周部に温水を循環させるためのジャケットを設け、温水チラーなどにより温水を
        循環させ温度制御する方法です。40℃程度から100℃未満の流体制御を行う際に電気ヒータ
        ではヒータ特性からオーバーシュート(設定温度に対する高温側の誤差)を起こしやすく温度の安定に時間を要する場合が有ります。このような低温加熱に、温水加熱は適しています。
        ■温水循環用バス
        二重構造で、外部ジャケットを真空断熱構造にすることで保温性を高めています。温水チラーと組み合わせて使用することにより恒温槽として使用可能です。また、強力マグネチックスターラとの併用で反応器の撹拌機能を付加できます。
        
        ※可燃性流体を使用する場合は、温水チラーを非危険場所に設置して、非危険場所から温水
         循環させることで安全にご使用可能です。
        ※温水循環用バスの場合はコンパクトですので、ドラフトの併用も容易です。
・二重構造で、外部ジャケット部が真空断熱されている
        ・保温性に優れ、缶の外側に伝熱しにくい構造のため、結露等も起こりづらい
        ・高温循環装置と接続して熱媒・冷媒を循環させ、恒温槽として活用
        ・強力マグネチックスターラと併用することで、反応器を加熱(冷却)しながら撹拌可能

|  | ■反応器内取付用温水(冷水用)コイル ・反応器内加熱冷却用 ・温水ジャケットに比べて安価 ・流体に合わせた材質で検討可能 ・付着しやすい流体には不適 (付着防止、耐食向上でPFAコート加工可能) | 

鋳込みヒーターは真鍮・アルミなどの材料を鋳型に納められたシーズヒータと共に鋳込んだ
        ものです。均一な加熱が可能で加熱の効率も優れています。
・アルミニウム鋳物で400℃、真鍮鋳物で600℃がヒーター温度上限の目安
        ・機械的な強度、耐震性に優れる
        ・発熱体が密閉されており、可燃性ガスとの接触の恐れがない
        ・端子箱を防爆端子とすることで可燃性ガスに対する安全性が高まる
        ・空冷管、水冷管など冷却ラインを構築
        ・ラッキング加工することで、炉体形状(一体形/二つ割れ)などの設計可能
|  | ■アルミ鋳込みヒーター+ガラス布保温カバー ・軽量化目的によるラッキング代替カバー | 


発熱体と断熱材が一体となっているヒーターで、保温・断熱効果により効率的な昇温が可能
        です。断熱材は火傷防止用カバーとしての機能も有します。加熱対象に合わせた形状で製作
        でき、配管や管台、突起部を考慮した形状に対応します。450℃程度まで使用可能なガラス繊維と700℃まで対応する石英繊維のタイプがあります。
・保温、断熱効果で放熱が少なく効率的な昇温が可能
        ・断熱材の効果で外表面が高温にならないため火傷防止効果
        ・配管や管台、突起部を考慮した設計対応
        ・保温材質で標準タイプ(450℃)と高温タイプ(700℃)に対応
        ・フランジや蓋板部の放熱防止、保温加熱用途のサブヒーターとして
        ・二つ割れでホック留めやマジックテープなど作業性が容易な構造
        ・省エネルギー、低ワット密度なため昇温速度は遅め
         (この特性のため、高温度帯の昇温速度を必要とするメインヒータとしては不適)
        
| ■参考写真(ガラス繊維・胴部) | ■参考写真(石英繊維/フランジ・蓋用) | 
|---|---|
|  |  | 
| 電源電圧 | AC100V/AC200V | 
| 相数 | 単相 | 
| ヒータ表面温度上限 | 450℃/700℃ (ガラス繊維/石英繊維) | 
| 参考反応温度(メイン) | 200℃程度/未検証 | 
| ヒータ材質 | ガラス布繊維/石英布繊維 | 
| 使用方法例 | 胴部加熱用 蓋板・フランジ加熱用 配管保温加熱用 | 
| ※参考ワット密度 (加熱部表面積換算) | 0.9W~1.1W/c㎡ | 
| ケーブル仕様 | 専用コネクタほか(要打合せ) | 
| ■オプション仕様 | 可燃性流体安全向上タイプ ・密閉構造及び防爆端子 | 


ニッケル合金(発熱抵抗体)を人工マイカ(絶縁材)で挟み込んだ高温・高電力密度の高温用面状ヒーターです。耐圧縮性に優れたマイカを使用し実験設備への取付に適しています。高温かつ均熱な熱板加熱が可能です。
・600℃の高温に対応
        ・17W/c㎡の高電力密度で急速昇温
        ・優れた均熱性を持ち発熱温度を面均一に分布
        ・切欠、穴あけなど複雑な形状に加工可能
        ・検討寸法φ20~φ400程度まで
■反応器放熱部(全体)の均一加熱
・反応器の蓋板及びフランジに均一加熱
        ・反応器の底部の均一加熱
|  |  |  |  | 
| 下板に冷却管施工 | 銅板天面(上板) | 面状ヒーター本体 | 銅板・ヒータ組付 | 

インラインヒーターは省スペースでガスや液体を所定温度まで瞬時に昇温し装置温度を安定化します。制御温度は300℃まで、対応流量は10NL/minと100NLの2タイプがあります。
        配管保温をせずとも優れた性能を発揮可能です。
・バブリング時のキャリアガスの予熱
        ・反応炉への導入ガスの予熱
        ・真空ポンプ前後のホットN2ガス
        ・液体材料の予熱
        ・触媒反応装置への導入ガスの予熱

※制御方法については、制御盤集約の場合
         ・サイリスタ制御も検討可能です。
         ・制御盤集約の場合カスケード制御になります。

耐熱性に優れ、機械的衝撃にも強い高温用電熱セメントです。シースヒータ―などの伝熱性能を高め昇温効率や制御安定性を高めます。
・高温でも優れた接着性
        ・安定した熱伝達
        ・ペースト状で水溶性のため作業施工性良好
・反応器、配管、熱交換器、タンク、バルブ、ポンプへの施工
        ・伝熱板、伝熱管への埋め込み
※代表仕様です。使用メーカーによる異なります。
